私の主催する西瓜糖の旗揚げ公演に出演してくださった、元天井桟敷の俳優、若松武史さんが14日に亡くなりました。 23年前に発症したがんとの壮絶な闘いでしたが、最後まで俳優として舞台に立ち続けました。 心から感謝と、そしてご冥福をお祈りいたします。
若松武史さんは
寺山 修司さんの率いる天井桟敷の解散後もご自身のカンパニー「ワカ・フローティングカンパニー」を立ち上げたり、テレビ、映画で活躍しました。人一倍優れた身体能力で素晴らしい存在感の怪演、名優でした。
しかし、若松さんがみんなに愛された理由は、人のことを一切悪く言わないこと、誰よりも一番早くセリフを覚えてきて、座組でどんな演出家であろうとそのプランに従って自分のやるべきことをやられていた人間性によるものだと思います。
私が相手役だった時の第一声が「僕、相手役のこと本当にすきになっちゃうんだよ。」と、相手役だったらみんなが惚れてしまうようなことを、言ってくださったことです。
大先輩の胸を借りる身としてはとても嬉しい、そしてお優しいお言葉でした。
西瓜糖旗揚げ公演「いんげん」
令嬢だった女が戦争で没落し苦渋をなめているところに、かつて彼女に惚れていた闇の世界の男がまとわりついてくる。
クライマックス「あんたなんか、生きるに値しない男」と罵りまくる私。5分超えの長台詞でした。
女を絞殺し、その死体で「思いを遂げる男」・・グロい話なのに異常にかっこいい若松さん
なんだか、久しぶりに悲しいです。
亡くなる10日前にお電話をいただき、そのお声がお元気そうでしたのでとても嬉しかったのです。（病が悪いことは承知でしたが）
心からの感謝とご冥福をお祈りいたします。
どうぞ安らかにお眠りください。
そして、いつかまたお会いしましょう。
