私はこれまでに2つの対照的な和裁教室に通いました。両方で、単衣仕立ての長着10枚、羽織、長じゅばんも縫いました。趣味として和裁をやってみようと思う方向けに、和裁教室ってどんなところか書こうと思います。
二つの教室の特徴
最初の教室A
週2日 1コマ3時間のみ
1回2000円
最初の1ヵ月は ほぼ運針と基礎縫い、そのあとは好きなものを縫える。先生が裁断して印もつけ、待ち針も先生がうってくれて 「ここを縫って」と言われたところを縫う。教室は少人数でアットホーム
2個目の教室B
週5日、一日2コマから4コマあり
1コマ1600円くらい(コマ数で値段が違う)
いつ行っても、何コマ受けても良い運針の授業は最初の1コマだけ、次からは肌襦袢。 経験者は好きなものを縫う。裁断も印付けも教えてもらいながら自分で行う。生徒さんが10人以上いることもあり先生が2人いても見てもらう順番待ちが長いことがある。
最初のA教室は運針にはすごく厳しかったです。でも、いざ縫うことになると、
先生が難しいところは全部やってくださるので進みはすごく早かったです。 ただ、先生に頼ってしまうので、一人で縫える状態にはならなかったです。
次のB教室は理論に優れていて、一人で縫えることに徹底してましたので、おかげでなんとか単衣は自分で縫えるようになりました。
Bでは、時間があればとにかく通ってましたので結構、授業料を払いました。費用対効果を考えれば(縫った枚数やクオリティ)まったくもって追いつきませんが自分で縫ったものは特別ですし 縫うこと自体楽しかったです。
運針の不安は?
和裁教室に通う不安として、運針ができないのに大丈夫だろうかと心配されると思います。
私は初日などは全然できませんでした。
先生の運針を見せていただいても、動画を見ても全然マネできず、2週間毎日特訓して全然できなかったらやめようとマジメに2週間やりましたら 少し光明が見えたので続けることにしました。
ほとんどみなさんが苦戦しますのであまり気にしなくていいです。
運針ができるようになっても難しい
でも、いざ縫うとなったら苦戦することは運針ではないです。むしろ、運針している間は楽なくらいで・・
- きちんと地直しする
- 柄袷と正確な印付け
- 2枚に合わせた長ーい生地のつりあいをとって適切に針を打つ
- 厚くてかたい生地を何枚も重ね縫いする箇所がある
などなど、それはそれは根気のいる神経の使う作業が沢山ありました。
ですが、和裁の先生が「結局、器用というのは、きちんとやるべきことをやる人のこと。不器用はその反対。プロじゃないんだから時間がかかったっていいじゃん。」とおっしゃってました。おっしゃる通りひとつひとつやっていけばいつかなんとか形にはなります。
単衣はやる気があればできる
単衣はやる気さえあれば相当不器用な私でも縫えました。数枚縫えば、縫い方も覚えられました。
ですが、縫い方がわかって単衣が縫えるのと、納得いく美しい着物になるのとでは私の場合は乖離がありました。
要するに、数枚縫ったくらいじゃプロみたいにきれい縫えません。
100枚縫ってからがスタートかも・・
おそらく本当にきれいな着物を縫いたければ100枚って正解かもです。
大げさね、そこまできれいにならなくてもいいじゃない?と思うかもしれませんが、実際下手くそな着物を見ると私の場合はテンションガタ落ちでした。
はっきり言えば、縫物もセンスです。運針ができるようになってもセンスがなければ着心地良く美しい着物にはならないと思います。
まぁ、100枚って・・・自分の着物ならそこまでいらないですよね?
最終的にどこまで行きたいのか本気で考えてみましょう。
1枚の単衣を縫い上げるまでには相当な授業料を払うことになります。1枚縫っただけでは覚えきれないこともあるでしょう
基礎縫いから始めると、週に何回行けるかにより変わりますが、単衣が何とか縫えるのは半年以上かかるかもしれないです。
しつこいようですが、単衣ならばやる気があればだれでも縫えます。
しかし納得いくきれいさに縫えるには授業料でお仕立て何枚分ものお金を支払う場合があり、多大な時間をかける必要があるでしょう。
結果論ですが、私は袷に進むことなく挫折しました。仕事が忙しくなったこともあるのですが、納得できる綺麗さに縫えないことが一番の理由です。これ以上、時間をかけて下手な着物を縫うことに意味が見いだせませんでした。
しかし、楽しかったですし知り合いもできました。習ったことには後悔はありません。
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